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口腔管理で脳機能を維持しましょう

厚労省の報告によると、75歳以上の人ではほぼ5人に1人に当たる18.24%が総入れ歯です。また70歳以上の高齢者における脳の状況を調べた東北大学の調査によると、脳が健康な人では歯は14.9本あったのに対し、認知症が疑われる人では9.4本しかなかったそう です。事実、介護医療の現場では歯のない人はボケやすいというのは共通した認識です。この様に歯が多く維持すると年齢が高くなっても脳機能が良いことが明らかにされました。

 

歯と脳機能、一見すると全く関係がない様に思いますが、この様に密接に関係してい るの事が明らかになって来ました。では何故歯がないと、認知症が発症しやすくなるの でしょうか。歯の下には歯根膜と言うクッションのような物があり、ものを噛むと歯は 歯根膜に約0.03ml 沈みます。それのため歯根膜の下にある血管が圧迫され、ポンプ作用 によって血液が脳に送り込まれます。1回噛むと約3.5mlの血液が脳に送り込まれるの で、噛めば噛むほど血液が脳へ流れ込み、脳は活性化されます。ところが歯の数が減る と、噛んだ時に歯根膜にかかる圧力が減少するため脳に送られる血液が減り、脳機能が 低下します。この様に歯による咀嚼はただ単に食物を細かく砕くだけでなく、脳の機能 を維持するための大事な働きを行っているのです。

 

驚かれるかれると思いますが、赤ちゃん以外は誰でも口腔内に歯周病菌が存在してい ます。でも免疫機能の作用によって歯周病菌の悪い作用が抑えられていますが、体調不 良などによって免疫力が低下すると歯槽膿漏を発症します。この歯周病菌は口腔内だけ に限局しないで歯茎の傷から血管の中に入り、心臓や脳の血管壁で炎症を発生し、その 結果血液の流れが悪くなり狭心症や脳梗塞を発生しやすくなります。このように歯周病は口腔内だけでなく、心臓や脳といった重要臓器に重大な障害を発生する原因になりま す。

 

認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、異常なタンパク質のアミロイドベータ (Aβ)などのが長年にわたって脳内に少しずつ蓄積し、症状が進行することが知られ ています。近年、歯周病菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入すると、Aβが体内で つくられて脳に蓄積することも明らかになりました。実験的には、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面にはAβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質が約2倍に増え、脳細胞へのAβの蓄積量も10倍も増加しました。即ち、歯周病菌は歯周病を起こ すだけでなくアルツハイマー病まで発生させる可能性が明らかになってきました。歯周病は口臭や歯茎の腫れ、更に歯を失うだけでなく、認知症の発生をも促進する恐ろしい病気です。しかし、以前は「不治の病」と言われましたが、歯科医による口腔管 理を継続すれば、進行を止める事ができるようになりました。人生100年の時代です。 歯科医による口腔管理を定期的に行い、お口の中を綺麗に保ち、爽やかに生活するとともに認知症も予防しましょう。